「コミュニケーションの棚」から、おススメの一冊をご紹介! 医師のためのビジネス選書

仕事の常識をくつがえす超効率的な41のワザ。なぜ今、ビジネスの頂点にプログラマーあがりの人たちが君臨しているのか?

『最速の仕事術はプログラマーが知っている』 清水 亮・著 クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
1598円 2015/7/24

アプリやゲームなどを開発する「プログラマー」は、効率的にクリエイティビティを発揮する達人です。公的機関より「天才プログラマー」に認定された著者が、プログラマーのノウハウと思考法を生かした“最速”の仕事術、情報収集法、チームマネジメントを紹介します。

内容詳細

盛り込みすぎを戒めるYAGNI

 “スーパープログラマー”の称号をもつ清水亮さんによれば、プログラミングで、あれやこれやとたくさんのことを盛り込んでしまうことを戒める言葉に「YAGNI」というものがあるという。“You aren’t gonna need it”の略語で、清水さんの意訳では「君が今必要だと思っている機能を、君が必要とする日は来ないだろう」。企画書や要望書に、先のことまで考えて細かく入れ込むビジネスパーソンもいるが、この戒めの言葉を心に留めておくべきだと清水さんは指摘する。
 清水さんが企画をつくるときには「ユーザが自分一人でも楽しめる企画」を心がけているそうだ。一人で楽しめないものが二人以上で楽しめるわけがない、という考え方だ。たいていのヒット企画、人気サービスは、シンプルな一つの要望を満たすものからスタートしている。Googleも最初は検索だけだった。「最初の体験」を重視するのがプログラマーの流儀なのだ。

 

キャプチャすることは忘れること

 プログラマーやギーク(技術オタク)の間では「ユビキタスキャプチャ」という習慣が定着しつつあるという。スマホなどで気になる情報があったらとりあえずその場でキャプチャして(捕まえて)おくという習慣だ。
 情報をキャプチャすることは、「忘れる」ことでもあると、清水さんは指摘する。ユビキタスキャプチャには、「忘れる」ことで頭の中のフリーメモリーを増やし、効率的に脳を動かすという意義もあるのだ。
 ゲーム業界に「クリエイティビティは移動距離に比例する」という言葉がある。移動することで得られる情報は多くなるし、ひらめきを捕まえやすくなるということだ。しかも「低い位置」が良いという。自動車から自転車、さらに徒歩となるほど「低い位置」でものを見られる。
 清水さんは意識的に徒歩で移動する時間を設けている。あえて非効率な行動を選んで視点を変化させる。本当に重要な情報は、このような泥臭い手段でないと手に入らないと考えているからだ。

 

「一部」を停止してバグを見つける

 プログラマーが原因不明のバグに見舞われたとき、それを修正するために、プログラムの一部を一時的に削除することはよくある。一部を動かなくして全体が正常になれば、原因はその「一部」にある。
 こうした原因特定のプロセスは、他の仕事に応用できる。たとえばチームでの仕事がどうもうまくいってないときに、チームを二つに分けてみる。どちらかだけが好調になった場合、不調の原因をもう一つのチームで探ればよい。どちらも好調になったら、それぞれに互いに相性のわるいメンバーがいたということだろう。
 プログラマーにはメリットのかわりにデメリットを受け入れるという潔さがあるという。高速処理をするとメモリー消費が大きくなるプログラムの場合、速度とメモリー消費どちらかを諦める。そういった考え方ができると、何ごとにも未練を感じなくなる。清水さん自身、それまでの人生での数々の決断に後悔の念を感じることはほとんどないそうだ。

 

 

(文・情報工場

 

情報工場
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目次

  1. 1. 速くてムダのないシンプル仕事術
  2. 2. 頭がクリアになる情報の整理法
  3. 3. 致命的なミスを防ぐ賢いダンドリ
  4. 4. チームの成果を最大化する仕組み
  5. 5. 視野を広げてビジネスを設計する

◎著者プロフィール

清水 亮
株式会社ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEO。1976年生まれ。電気通信大学在学中、米Microsoft Corpにて家庭用ゲーム機開発や技術動向の研究・教育に携わる。1998年にドワンゴ入社。携帯電話事業を立ち上げ、2002年退社。CEDEC(ゲーム開発者向け技術交流会)設立などにかかわり、2003年より現職。2004年度に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)より天才プログラマー/スーパークリエイターとして認定。

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