「コミュニケーションの棚」から、おススメの一冊をご紹介! 医師のためのビジネス選書

マッキンゼーで14年間活躍した著者の独自メソッド。地頭もリーダーシップもA4一枚の「メモ書き」で鍛えられる!

『ゼロ秒思考‐頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』 赤羽 雄二・著 ダイヤモンド社
1512円 2013/12/20

イメージや感覚を言葉にできるようになると、そこから考えを深めることができ、考えを深めることに慣れると、考えるスピードが早くなります。その到達点を著者は「ゼロ秒思考」と呼び、本書ではそれを身に付けるための独自の「メモ書き」メソッドを紹介しています。

内容詳細

1日10分の習慣で思考を高速化

 私たちは皆、「言葉」を使って思考する。しかし、「考えがまとまらない」経験は誰にでもあるだろう。頭の中にさまざまな言葉が浮かぶが、それがうまくつながらずに消えてしまう。あるいは、言葉にならない、もやもやとした感情が拭えず、余計に考えがまとまらないこともある。
   本書では、そんな、浮かんでは消える言葉や「もやもや」を整理する具体的な方法を詳説している。そのトレーニングを毎日続けて習慣にすることで、思考が高速化するのだという。瞬時に、現状を認識して課題を整理し、解決策を考えられるようになる。これが、著者の言う「ゼロ秒思考」だ。
   その方法は至ってシンプル。1枚のA4用紙に、一定の様式で思考を書き出していく。1枚につき1分以内、手書きで毎日10ページを書く。すなわち1日わずか10分のトレーニングということになる。これは著者が世界有数のコンサル会社、マッキンゼーで活躍していた時に編み出されたものだという。

 

躊躇せず浮かんだことを書き出す

 著者が「メモ書き」と呼んでいるこの方法では、まずA4のまっさらな紙を用意する。そしてそれを横置き(上下よりも左右が長くなる置き方)にし、左上に「タイトル」を書き、それに下線を引く。その下のスペースには、そのタイトルについて考えたことを4行から6行ほど書いていく。基本はこれだけだ。
   左上のタイトルは、思考するテーマであり、たとえば「どうすれば仕事のスピードを上げられるか」「どうすれば毎日30分、英語を続けられるか?」「自分は本当は何をしたいのか?」など。目の前にある具体的な課題でも、もっと大きな、生き方に関わる悩みなどでも、何でもいいようだ。とにかく頭に浮かんだ疑問や懸念していることを躊躇なく書く。
   その下の4〜6行も、思いついた順に時間をかけずにどんどん書いていく。ネガティブな感情もそのまま書き出すことだけで問題点が整理され、ポジティブな解決策が見出せることも多いということだ。

 

太古から人類がもつ能力を取り戻す

 本書では、こうした「メモ書き」の基本形を発展させたメソッドも紹介されている。たとえば、1枚の紙に書かれた4〜6行のうちの1行を「タイトル」にして、別の紙に新たなメモ書きをする。それを繰り返していくと、思考の内容が深まり、問題がいっそうクリアになるという。それらのメモをツリー状に並べると、「ロジックツリー」と呼ばれる図ができあがる。そうして思考の流れを俯瞰することで、解決策が浮かびやすくなるのだ。
   著者は、このメソッドを紹介するにあたって「人間は誰でも頭がいい」ことを前提にしている。太古の昔、人類は危険を察知したり、獲物を確実に捕らえるために、まさしく「ゼロ秒思考」をしていた。現代において「頭がいい」人とそうでないとされる人が分かれるのは、思考の習慣が身についているかどうかの違いなのだろう。「メモ書き」は、その習慣と、本来人間が持っている「思考の感覚」を取り戻すものといえる。

 

(文・情報工場

 

情報工場
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目次

  1. 1. 「考える」ためのヒント
  2. 2. 人はゼロ秒で考えられる
  3. 3. ゼロ秒思考をつくるメモの書き方
  4. 4. メモを使いつくす
  5. 5. メモの整理・活用法

◎著者プロフィール

赤羽 雄二
ブレークスルーパートナーズ共同創業者。東京大学工学部卒業後、1978年小松製作所入社。建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。1986年マッキンゼー入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリードする。2002年より現職。

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