「コミュニケーションの棚」から、おススメの一冊をご紹介! 医師のためのビジネス選書

「変化」のときこそ、「基本」を確認しなければならない! ドラッカー経営学の集大成を一冊に凝縮。

『マネジメント[エッセンシャル版]』-基本と原則 P F ドラッカー・著 ダイヤモンド社
 2001/12/13

「マネジメントの父」たるP.F.ドラッカーの大著『マネジメント』から、時代を超えて生き続ける基本と原則を、ドラッカー自身が抜粋したマネジメント論の本格的入門書。マネジメント論の精髄に触れることができます。

内容詳細

時代を経ても不変の「基本と原則」

 本書は、1974年に刊行されたドラッカーの大著『マネジメント』から、最も重要な部分を著者自身が抜粋したものである。『マネジメント』は、企業が大きな転換を迫られた1950〜60年代の経験から生まれた著作であり、本書に登場する事例も当時のままである。とはいえ、それらの事例を古いと言って片づけてはならない。なぜなら、マネジメントには「基本とすべきもの、原則とすべきもの」、言い換えれば時代を経ても変わらざるもの、変わり得ないものがあり、その「基本と原則に反するものは、例外なく破綻する」、というのが本書の主題だからだ。著者が『マネジメント』で取り上げた事例は、その基本と原則を示すためのものなのである。
 行き詰まった時は原点に帰れ、とよく言われるが、低迷する経済情勢の中で打開策を見出そうともがいている我が国の多くの企業にとって、原点すなわち「基本と原則」に立ち返る機会は、まさにいまだと言えるだろう。

 

企業の目的は「顧客の創造」である

 「基本と原則」の中でもとくに重要なのは、そもそも「企業とは何か」ということだろう。企業とは何かと問われると、経済学者も含めほとんどの人は「営利組織」と答える。つまり企業の目的は利益の追求だと考えている。確かに利益は必要だ。だが企業にとって利益とは、「目的」ではなく、活動を継続させるための「条件」(原資)であることを忘れてはならない。
 では企業の本来の目的とは何か。それは「顧客の創造」である。企業の存在理由は、社会の構成要素である顧客に、製品やサービスを提供することを通して社会貢献をすることにある。企業が社会貢献をしているかどうかを決めるのは顧客である。顧客の欲求を満足させる、あるいは新たな欲求を生み出す製品・サービスに顧客が対価を支払ってはじめて、企業は社会に貢献したと言えるからだ。つまり企業は「顧客の創造」によって社会に貢献する。それが社会機関としての企業の目的であり、ミッションである。

 

マーケティングとイノベーション

 ドラッカーによれば、「顧客の創造」のために企業が持つべき基本的機能は二つしかない。マーケティングとイノベーションである。
 マーケティングに関して多くの企業が犯す誤りは、「何を売りたいか」と製品やサービスからスタートすることだ。だが真のマーケティングは、「何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」と顧客からスタートする。
 イノベーションに関しても、多くの企業は画期的な技術開発によって新たな価値を創造することと捉える。だが、ドラッカーは、顧客に新しい満足を生み出すこととする。たとえば、ありふれた機能の冷蔵庫であっても、北極圏に住むイヌイットに「凍結防止用」の道具として売るなら、それは新たな顧客の創造であり、社会的イノベーションなのである。
 いま企業に求められているのは、マーケティングとイノベーションという両輪が正しく駆動しているのかを、しっかりと吟味することではないだろうか。


 

 

(文・情報工場

 

情報工場
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目次

  1. 1. マネジメントの使命
  2. 2. マネジメントの方法
  3. 3. マネジメントの戦略

◎著者プロフィール

P.F.ドラッカー
ビジネス界に最も影響力を持つ経営学者。「分権化」「目標管理」「経営戦略」「民営化」「情報化」「知識労働者」「コアコンピタンス」等々、マネジメントの理念と手法の多くを考案、発展させてきた。GMのマネジメントを研究した1946年の『会社という概念』を皮切りに、『現代の経営』『変貌する産業社会』『断絶の時代』『マネジメント』『イノベーションと起業家精神』『未来企業』などの名著を次々と刊行。2005年他界。
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