「コミュニケーションの棚」から、おススメの一冊をご紹介! 医師のためのビジネス選書

会社と社員、そして自分の未来を拓くリーダーはどこが違う? あなたは「消耗型」か「増幅型」か。

『メンバーの才能を開花させる技法』 リズ・ワイズマン・著 海と月社
1944円 2015/4/22

部下として成果を上げやすい上司と、やる気が出ない上司がいることは多くの人が経験しているのではないでしょうか。150人の管理職の行動分析から、メンバーの才能を発揮させてその潜在力を引き出す「増幅型リーダー」の特性と、そうなるためにどうすればいいかを明らかにします。

内容詳細

リーダーには増幅型と消耗型が

 リズ・ワイズマン氏とグレッグ・マキューン氏は、世界の150人の管理職の行動を分析した。その結果分かったのは、組織のリーダーには2種類のタイプが存在することだった。そしてそれらを「増幅型リーダー」「消耗型リーダー」と名づけた。
  二つのタイプに属するのは、どちらも優秀なリーダーだ。違いはメンバーをどう扱うか。増幅型リーダーは、自分だけでなく、メンバーの能力を最大限伸ばそうとする。一方、消耗型リーダーは、何もかも自分か、自分の周囲の限られた数人だけで物事を決め、メンバーのアイデアを取り入れることは決してない。すべてのメンバーを「命令にただ従うだけ」の状態に置き、彼らの活力とやる気を奪ってしまうのだ。
  ワイズマン氏らは、消耗型リーダーにはない、増幅型リーダー特有の要素を「才能のマグネット」「解放者」「挑戦者」「議論の推進者」「投資家」という「五つの習慣」にまとめている。

 

深いレベルの才能を引き出す

 増幅型リーダーは、才能ある人をひきつけ、また埋もれた才能を掘り起こすことに長けている。そのことをワイズマン氏らは「才能のマグネット」と表現する。
  増幅型リーダーが引き出す才能は、表面的なスキルだけではない。報酬や褒美がなくても自発的にできるものであり、必要以上の努力をしなくても自然に身についているものである。
  たとえばエクセルの達人と呼ばれる人がいても、彼のエクセル技術はここで言う才能ではない。増幅型リーダーは、「エクセルをうまく使えるのならば、データのモデリングに優れているのかもしれない」「それならば論理的思考に秀でているのだろう」というように、深いレベルまで才能を探っていくのだ。
  個々のメンバーにそうした才能があることを自覚させ、十分に発揮させるためには、まずはメンバーの行動を注意深く観察することだ。8~10人のメンバーのリストを作り、「自然にできていること」を書き留めていくのがよいだろう。

 

聞き上手になり自由な環境をつくる

 増幅型リーダーの要素の一つ「解放者」とは、それぞれのメンバーのやる気を高め、自由にアイデアを出し合う環境を用意することだ。消耗型リーダーはその反対にメンバーを抑圧し「独裁者」のように振る舞う。
  解放者であるリーダーは、聞き上手だ。自分の話よりもまず、周囲の言葉に耳を傾ける。メンバー全員に話す機会を与え、お互いに知識を分け与える場をつくるためだ。
  とはいえ、リーダー自身が「話したい」という誘惑に勝つのは難しい。ワイズマン氏らは、たとえばこんな方法を提案している。5枚のポーカーチップを用意し、それぞれに「話せる秒数」を割り当てる。1枚には120秒、3枚に各90秒、残りの1枚に30秒といった具合だ。公式の会議などで自分が話すのは5回だけ。しかもそれぞれのチップに割り当てられた秒数以内に発現を収める。チップを巧みに使うことで、本当に重要なことを、最適なタイミングで無駄なく発言する訓練ができるのだ。

 

(文・情報工場

 

情報工場
厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。日本語未翻訳の海外の話題の書籍も日本語ダイジェストで紹介。上場企業の経営層・管理職を中心にビジネスパーソン約6万人が利用中。

 

目次

  1. 1. なぜ、今「増幅型リーダー」なのか
  2. 2. 「才能のマグネット」としての技法
  3. 3. 「解放者」としての技法
  4. 4. 「挑戦者」としての技法
  5. 5. 「議論の推進者」としての技法
  6. 6. 「投資家」としての技法
  7. 7. 「増幅型リーダー」を目指すあなたに

◎著者プロフィール

リズ・ワイズマン
オラクルで17年間オラクル大学バイスプレジデントおよび人材開発グローバルリーダーを務めた後、シリコンバレーにワイズマングループを創設。以来、世界各国の主にエグゼクティブを対象に、グローバルリーダーの養成に力を注ぎつづける。
グレッグ・マキューン
グレッグ・マキューン:シリコンバレーのコンサルティング会社THIS lnc.のCEO。著書『エッセンシャル思考』(かんき出版)は日本でもベストセラーになる。
EPILOGI メルマガ会員募集中 人気記事ランキング エピロギ編集部おすすめ記事 会員限定アンケート 会員限定イベント情報

「リーダーシップ」に関する書籍一覧

  • 『見抜く力 -リーダーは本質を見極めよ』 酒巻 久 (朝日新聞出版)

    リーダーの仕事は「正しく見る」ことから始まる。
    キヤノン電子のカリスマ社長が教える、組織を強くする原則

    故スティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏とも親交があり、長年赤字体質に甘んじていたキヤノン電子を、売上高経常利益率10%超の高収益企業に変貌させたカリスマ社長が、リーダーのための「本質の…

  • 『リーダーのための「レジリエンス」入門』 久世 浩司 (PHP研究所)

    「いかにもリーダー」なあの人より、「ちょっと自信がない」人のほうが、上手くいくというのが事実なのは何故か

    最近、求められるリーダー像が大きく変わっています。ストレス要因の多い社会では、従来のカリスマ型・強権型のリーダーではなく、地味でも打たれ強い「レジリエンス・リーダー」が多く活躍して…

  • 『ぼくは「技術」で人を動かす-今いるメンバーで結果を出す{チームリーダー}のレシピ』 高島 宏平 (ダイヤモンド社)

    経験がなくても、カリスマでなくても真似できる、チームで勝つためのリーダースキルの数々のレシピを紹介。

    リーダーシップを発揮するには、何か特別な資質が必要と思っている人が多いのではないでしょうか。でも、どん底のチームを常勝チームへ成長させた経験をもつ著者は、リーダーシップは練習で誰に…

  • 『マインドフル・リーダーシップ』 田口 力 (KADOKAWA/中経出版)

    ハイ・パフォーマーに必要な「マインドフルネス」の本質的な話。なぜ「内省する習慣」があなたの力を引き出すのか

    「今、目の前のこと」に集中する瞑想法の一種である「マインドフルネス」。世界の先端企業で取り入れられてますが、これは「リーダーシップ」にとっても有用です。マインドフルネスを活用した、…

  • 『リーダーの究極の教科書 論語』 皆木 和義 (クロスメディア・パブリッシング(インプレス))

    聖徳太子から徳川家康、渋沢栄一まで、多くのリーダーたちが愛読してきた『論語』からビジネスの実践哲学を読み解く!

    2000年以上にわたって読み継がれてきた『論語』には、リーダーのあるべき姿・規範が記されており、上に立つ者にとっての「究極の教科書」といえます。その『論語』のエッセンスを、多くの名…

  • 『リーダーシップ・チャレンジ[原書第五版]』 ジェームズ・M・クーゼス (海と月社)

    グループリーダーから巨大企業のCEOまで。世界で最も信頼され、最も読まれているリーダーシップ実践テキストの最高峰、堂々の最新版!

    企業をはじめとするあらゆる組織で、成果を上げるために最も重要なのは「リーダーシップ」といえます。1987年の初版発行から読み継がれている本書では、組織に非凡なことを起こす“リーダー…

コメントを投稿する

投稿者名(12文字以内)
コメント

医師のためのビジネス選書

EPILOGI メルマガ会員募集中 人気記事ランキング エピロギ編集部おすすめ記事 会員限定アンケート 会員限定イベント情報
ページの先頭へ