「コミュニケーションの棚」から、おススメの一冊をご紹介! 医師のためのビジネス選書

経験がなくても、カリスマでなくても真似できる、チームで勝つためのリーダースキルの数々のレシピを紹介。

『ぼくは「技術」で人を動かす-今いるメンバーで結果を出す{チームリーダー}のレシピ』 高島 宏平・著 ダイヤモンド社
1620円 2015/2/6

リーダーシップを発揮するには、何か特別な資質が必要と思っている人が多いのではないでしょうか。でも、どん底のチームを常勝チームへ成長させた経験をもつ著者は、リーダーシップは練習で誰にでも身につけられる「技術」と言い切ります。その実践的「技術」を紹介します。

内容詳細

スキルと人間性を切り離す

 「あの人はリーダーシップがある」と聞くと、あたかもその人が生まれながらリーダーにふさわしい資質を備えているような印象をもつ人がいるかもしれない。だが、本書の著者は、自らの経験から、初めからリーダーシップのある人などいないと断言している。リーダーシップは「練習」で身につく技術に過ぎず、身につけるためのノウハウが存在するというのが本書の主張なのだ。v オイシックスを創業した当初、著者は自分自身にリーダーシップが備わっているとは思っていなかった。そこでまず、自分なりに考えて「強いリーダー」をめざす。だが、それでは誰もついてこなかった。そこで、今度は「良いリーダー」をめざして人間性を磨く努力をしてみた。しかし、それでもダメだった。
  自信を失いかけていた著者がたどり着いたのが「リーダーのスキルと人間性を切り離す」という考え方だった。純粋にスキルとしてリーダーシップを捉えることにしたのである。

 

好き嫌いに流されず「観察」する

 著者が経験によって身につけたリーダーシップのための「技術」の第一は「観察」。メンバーを「よく知る」ことだという。どんな時にメンバーは生き生きとしているか、業務遂行能力はどれくらいか、得意なコミュニケーションのスタイル(メールか、対面か)などをつぶさに観察して把握する。
  著者がここで、学校の理科を思わせる「観察」という言葉を使ったのは、感情を極力排除した客観的な見方をすることを強調するためだろう。メンバーを知ろうとすると、どうしても好き嫌いなどの感情が知らず知らずに忍び込んでしまうことがある。そうではなく、意識して「ありのまま」を見ることが重要ということだ。
  これは、著者の言う「配置」の技術にも当てはまる。これは、メンバー各々の「スキル・強み」や「考え方・性格」を見抜いて最適な組み合わせを考えることだが、ここでもリーダーの好き嫌いが入ると正しい判断が難しくなる。客観性を意識する必要があるのだ。

 

「違和感メンバー」が限界を打開

 著者は会社を経営していくうちに、リーダーとしてメンバーの成長を促すのはもちろんだが、自らも成長しなくてはならないことに気づく。そして、その「自分の成長」についても「技術」があるという。それは「俯瞰的な視点で自分とチームを見る」こと。組織自体が成長していくにつれ、リーダーに求められる役割は変わっていく。その変化に対応するために「俯瞰的な視点」が必要になるというのだ。
  視野が広がり、会社の状況の隅々まで俯瞰的に見られるようになれば、新しいアイディアも生まれてくる。著者が、会社の成長の限界を打開するために投入した「違和感メンバー」も、そんなアイディアの一つだ。「若い会社」だったオイシックスに、40代と60歳近い二人の社員を採用し、ベテランならではの知識と経験を生かす、というものだ。状況を客観的に、かつ俯瞰的に見ることで「こだわり」を捨てることに抵抗がなくなったということなのだろう。

 

(文・情報工場

 

情報工場
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目次

  1. 1. {観察}のレシピ
  2. 2. {伝達}のレシピ
  3. 3. {配置}のレシピ
  4. 4. {巻き込み}のレシピ
  5. 5. {育成}のレシピ
  6. 6. {立て直し}のレシピ
  7. 7. {成長}のレシピ

◎著者プロフィール

髙島 宏平
オイシックス株式会社代表取締役社長。1973年、神奈川県生まれ。東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了。大学院時代に、自らベンチャー企業を立ち上げ、インターネット事業を手がける。1998年大学院修了と同時に、外資系コンサルティング会社のマッキンゼーに入社。2000年6月オイシックス株式会社を設立し、現職に。2013年3月に東証マザーズに上場。他に、NPO法人TABLE FOR TWO International理事、一般社団法人東の食の会代表理事、BEYOND Tomorrow理事を兼務。
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