「コミュニケーションの棚」から、おススメの一冊をご紹介! 医師のためのビジネス選書

青学を「箱根駅伝」優勝に導いた理論と情熱の「伝説の営業マン」に学べ!  駅伝にもビジネスにも共通した成功の秘訣とは?

『逆転のメソッド』‐箱根駅伝もビジネスも一緒です 原晋・著 祥伝社
842円 2015/5/2

2015年の箱根駅伝で青山学院大学は悲願の初優勝を果たしました。優勝に導いたのは、サラリーマン時代に「伝説の営業マン」だった原晋監督。本書は、不屈の精神で苦境を逆転してきた原晋監督が半生を振り返りながら、ビジネスでの営業手法を応用した指導法を紹介しています。

内容詳細

陸上の挫折を経て伝説の営業マンへ

 原普氏は、中国電力に入社して陸上競技部の部員となったが、ケガのため5年で選手としての引退を余儀なくされ、営業部門へ異動となる。深い挫折感を味わうが、悔しいと思う自分を素直に受け入れ、現実から逃げなかった。そして、サラリーマンとして大成するのだという強い意志と覚悟をもって社内公募に応募した結果、エコ・アイス(氷蓄熱式空調システム)の提案型営業の仕事に従事することになった。
 このときに「伝説の提案型営業」と言われたのが、エコ・アイスを小学校に売り込んだプロジェクトである。校舎の横にエコ・アイスを設置し、屋上に太陽光パネルを取り付け、今現在、何キロワット発電しているかを表示し、さらに子どもたちを対象としたエコの出前授業を行った。単なる空調機器としてではなく、エコロジー教育の一環として売り込んだのだ。その結果、原普氏はエコ・アイスの売り上げで全社トップになり、社内表彰を受け、「伝説の営業マン」となっていった。

 

指導力が認められた選抜チーム4位

 営業マンとして実績を上げていた原普氏だったが、青山学院大学陸上競技部の監督就任の話が舞い込み、選手時代に陸上競技をやり切れなかったという思いから、箱根駅伝初優勝を目指す覚悟を決める。
 監督就任4年目も箱根駅伝出場はかなわなかったが、予選会で敗れたチームの上位選手が集う関東学生連合選抜チームの監督を務めることになる。チームは個々の能力は高いが、選手相互の間に心の通い合いがない。そこで、通常は行わないミーティングで「チームとしての意志を聞かせてくれ」と問いかけた。2時間以上にわたる話し合いは徐々に盛り上がり、3位をめざすことが目標になった。結果は堂々の4位。選抜チームとしては始まって以来の快挙である。駅伝は「心の襷リレー」であるから、心の絆がないチームでは結果を出すことができないのだ。
 この快挙によって「原は指導者として力がある」と大学内外から認められ、監督をクビにならずに、契約更新することができたのである。

 

半歩先の目標を着実に達成していく

 指導で大切なのは、重要な大会へ向けてコンディションを調整することだ。そのために、1年間と1カ月ごとの目標、試合や合宿ごとの具体的な目標を書き込む『目標管理シート』を選手に作成させる。目標を設定して、それを実行するための方法を考え、実行していくスタイルは、原普氏が営業マン時代に常々やっていたことである。
 力がなかなか伸びない選手は、実現不可能な目標を掲げていることが多い。たとえば、5000メートルでタイムを1分縮めるなどというのは目標ではなく、妄想でしかない。壮大な目標ではなく、「半歩先」の手が届くところにある目標を着実に達成していくことが大事なのだ。そして、それぞれが設定した目標をどれだけ達成できたか、月に一度、1時間ほどのグループミーティングで進捗状況をチェックする。まずは自分の頭で考え、グループトークで考えや決意を共有し、チームの和を広げていく。これが、青山学院大学を箱根駅伝初優勝に導いた原メソッドなのだ。

 

(文・情報工場

 

情報工場
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目次

  1. 1. 選手時代の栄光と挫折
  2. 2. 「提案型」営業マンの伝説
  3. 3. 箱根駅伝優勝への道 -ゼロからの大作戦
  4. 4. 青学は、なぜ優勝できたのか
  5. 5. 「逆転」を生み出す理論と情熱

◎著者プロフィール

原 晋
青山学院大学陸上競技部監督。1967年、広島県生まれ。広島・世羅高校では主将として全国高校駅伝準優勝。中京大では3年生の時、日本インカレ5,000メートルで3位入賞。89年に中国電力陸上競技部1期生で入部、5年で選手生活を終え、サラリーマンに。実績を上げて「伝説の営業マン」と呼ばれる。チーム育成10年計画プランのプレゼンを買われて、2004年より現職。09年に33年ぶり箱根駅伝出場、15年に同校を箱根駅伝初優勝に導いた。
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