「コミュニケーションの棚」から、おススメの一冊をご紹介! 医師のためのビジネス選書

その強さの秘密は、世界150カ国以上で30万人のGE社員が日々使っている言葉にあった!

『世界の超一流企業であり続ける GEの口ぐせ』 安渕 聖司・著 PHP研究所
961円 2015/8/19

140年近くの長い歴史を刻んできた米国発の巨大グローバル企業、GE(ゼネラル・エレクトリック)。今なお世界有数の企業として名を馳せる同社には、代々受け継がれた独自の社内用語があります。それらを紹介しながら同社の継続的な“強さ”の秘密を探ります。

内容詳細

社内用語は問題解決の歴史を象徴

 歴史と伝統を有し、米国を代表するグローバル企業、そして世界有数の巨大企業として隆盛を誇るGE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)。
  1878年に発明王トーマス・エジソンにより創業された同社には、世界150カ国以上、30万人の社員が共通で「口ぐせ」のように日常業務で使う独特な社内用語があるという。本書ではそれらを紹介しながら、GE社員たちの仕事のやり方、GE独自のカルチャーやリーダー養成などについて、日本GEの代表取締役を務める著者が詳しく解説。120年以上にわたりトップクラスの成功企業であり続けるGEの強さの秘密を垣間見られるとともに、他業種でも十分応用できる、業務改善やイノベーション創出のヒントが得られる内容となっている。
   本書で紹介される「口ぐせ」の数々は、GEがその長い歴史の中で直面してきた課題をどう乗り越えてきたかを表す、同社の「問題解決の歴史」そのものだという。

 

変革を現場に定着させる「CAP」

 本書を一読して驚かされるのは、GEがこれほどの巨大企業でありながら、徹底して「現場における実行」にこだわっていることだ。「優れた計画でも実行しなければ意味がない」というマインドが隅々まで浸透している。何しろ、同社には「計画するだけのセクションに意味はない」という考えから「経営企画部門」が存在しないのだ。
   変革を現場に定着させるために同社が採り入れているのが「CAP」だ。「Change Acceleration Process(変革推進プロセス)」の略で、「変革が進まない? ちょっとまだCAPが足りないんじゃないか?」などの「口ぐせ」に登場する。
   CAPでは「プロジェクトの質」と同じくらい「現場の受け入れ態勢」を重視する。良質なプロジェクトであっても、それが現場に定着しなければ効果は出ない。そのため、現場へ「変革のニーズ」が浸透し、ビジョンが共有される実践的な仕組みが作られている。

 

自らのボックスの認識から始める

 GEの現場では「You have to think out of box」という言葉が発せられる。箱から出て、型にはまらない発想をしろ、ということだ。
   イノベーションのために「型にはまるな」と言うだけならば、特段珍しいことではない。GEがすごいのは、自らの「ボックス」を考えさせることから始めることだ。著者自身が体験したトレーニングでは、「毎日の糧を得ている仕事」「それに隣接するもの」「5年後ぐらいに大きなビジネスになるかもしれないもの」という三つのボックスに当てはまることを書き出し、それぞれにどのくらいの時間をかけているかを把握したという。自分のボックスをまず認識し、そこから出る。GEではそうしたプロセスをシステマチックに構築している。
   GEでは「会社を動かす」というより「(現場の)人を動かす」という発想で経営が行われているのではないか。きっとそれが100年以上続く成功企業の条件の一つなのだろう。

 

(文・情報工場

 

情報工場
厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。日本語未翻訳の海外の話題の書籍も日本語ダイジェストで紹介。上場企業の経営層・管理職を中心にビジネスパーソン約6万人が利用中。

 

目次

  1. 1. 全社戦略 -巨大企業がなぜアグレッシブに動き続けられるのか?
  2. 2. 仕事のやり方 -驚くほどスピーディーな仕事は、なぜ実現できるのか?
  3. 3. コミュニケーション -なぜ上司に対してストレスが高まらないのか?
  4. 4. リーダー育成 -GEはなぜ、次々に優秀な人材を輩出できるのか?
  5. 5. 評価・マネジメント -誰もが納得できる評価が、なぜできるのか?
  6. 6. カルチャー -また戻ってきたくなる風土が、なぜできているのか?

◎著者プロフィール

安渕 聖司
日本GE株式会社代表取締役、GEキャピタル社長兼CEO。1979年早稲田大学政治経済学部卒、三菱商事入社。1990年ハーバードビジネススクール(HBS)経営管理学修士(MBA)修了。1999年米国の投資ファンド、リップルウッドの日本法人立ち上げに参画。2006年よりGEコマーシャル・ファイナンスのアジア事業開発担当副社長、2007年GEコマーシャル・ファイナンス・ジャパン社長兼CEOに就任。2009年より現職。
EPILOGI メルマガ会員募集中 人気記事ランキング エピロギ編集部おすすめ記事 会員限定アンケート 会員限定イベント情報

「仕事術」に関する書籍一覧

  • 『「働くママ」の仕事術』 金澤 悦子 (かんき出版)

    妊娠・育休・復帰…悩みの多い“今”をズバッと解決! 自分も子育てもラクになる、両立ママになるためのアドバイス

    出産を機に「子どもに胸を張れる生き方をしたい」と考えはじめる女性は少なくありません。働く女性のハッピーキャリア(=ココロもサイフも満たされる生き方)を支援してきた金澤悦子氏が、ママ…

  • 『宇宙に挑むJAXAの仕事術』 宇宙航空研究開発機構 (日本能率協会マネジメントセンター)

    「リスク要因の先取り」「部下の育て方」
    あらゆるビジネスに応用できる
    JAXA(ジャクサ)の仕事術!

    宇宙事業に関わるJAXAでは、ヒューマンエラーは宇宙飛行士の生死に直結します。そうした緊張感のなかでJAXAのメンバーが普段どのように仕事をしているのか、管制員から研究員まで13名…

  • 『グーグルのマインドフルネス革命 ‐グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス』 サンガ編集部 (サンガ)

    「思いやり」「優しさ」「自己観察」「共感」「信頼」、そして「成長」へ。個人と組織を豊かに変えた研修プログラム

    グーグルをはじめ、インテル、ナイキなど名だたる企業が導入する「マインドフルネス」という瞑想を中心にしたトレーニングが注目を集めつつあります。グーグルの人材開発部門で社員の指導にあた…

  • 『ゼロ秒思考‐頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』 赤羽 雄二 (ダイヤモンド社)

    マッキンゼーで14年間活躍した著者の独自メソッド。地頭もリーダーシップもA4一枚の「メモ書き」で鍛えられる!

    イメージや感覚を言葉にできるようになると、そこから考えを深めることができ、考えを深めることに慣れると、考えるスピードが早くなります。その到達点を著者は「ゼロ秒思考」と呼び、本書では…

  • 『「洞察力」があらゆる問題を解決する』 ゲイリー・クライン (フォレスト出版)

    論理的・分析的思考よりも重要な問題解決法があった。ホワイトハウス、米空軍省で導入の理論。

    他の人がなかなか気づけない「見えない問題」を見抜く「洞察力」に優れた人がいます。その力を磨くにはどうしたらいいのでしょうか? 米空軍勤務経験のある認知心理学の大家が、困難な問題を解…

  • 『最速の仕事術はプログラマーが知っている』 清水 亮 (クロスメディア・パブリッシング(インプレス))

    仕事の常識をくつがえす超効率的な41のワザ。なぜ今、ビジネスの頂点にプログラマーあがりの人たちが君臨しているのか?

    アプリやゲームなどを開発する「プログラマー」は、効率的にクリエイティビティを発揮する達人です。公的機関より「天才プログラマー」に認定された著者が、プログラマーのノウハウと思考法を生…

  • 『自分を成長させる極意 -ハーバード・ビジネス・レビュー ベスト10選』 ピーター・F・ドラッカー (ダイヤモンド社)

    ドラッカーからクリステンセンまで。史上最高の知の賢者たちの自分を磨く方法!

    世界最高峰のビジネス・マネジメント誌『HarvardBusinessReview』の編集部が厳選した「自分を最も成長させる方法」。ドラッカー、クリステンセンなど超一流の執筆陣が、自…

コメントを投稿する

投稿者名(12文字以内)
コメント

医師のためのビジネス選書

EPILOGI メルマガ会員募集中 人気記事ランキング エピロギ編集部おすすめ記事 会員限定アンケート 会員限定イベント情報
ページの先頭へ