「コミュニケーションの棚」から、おススメの一冊をご紹介! 医師のためのビジネス選書

「思いやり」「優しさ」「自己観察」「共感」「信頼」、そして「成長」へ。個人と組織を豊かに変えた研修プログラム

『グーグルのマインドフルネス革命 ‐グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス』 サンガ編集部・著 サンガ
1620円 2015/5/25

グーグルをはじめ、インテル、ナイキなど名だたる企業が導入する「マインドフルネス」という瞑想を中心にしたトレーニングが注目を集めつつあります。グーグルの人材開発部門で社員の指導にあたるビル・ドウェイン氏のインタビューをもとにその手法と効用に迫ります。

内容詳細

「今ここ」に意識を向ける

 グーグルには、2007年にスタートしたSIY(Search Inside Yourself)をはじめとする「マインドフルネス」のプログラムがあり、現在5,000人以上の社員が受講している。マインドフルネスとは、仏教の瞑想をもとにした心のトレーニング方法である。
   そのプログラムの導入・実践の中心人物であるビル・ドウェイン氏は、マインドフルネスを「意識のスポットライトを『今ここ』に当てること」であると説明する。私たちは過去のできごとに思いをめぐらすこともあれば、未来のことに考えを向かわせることもある。だが、マインドフルネスでは、瞑想によってそういった過去や未来への意識の流れをカットする。そして“今”の瞬間の自分の思考のみをありのままに見つめる。
   そうすると、外からの刺激に対する自身の反応の仕方が変わるのだという。普段なら怒りやイラつきを感じるような状況を、意識的に捉え直すことができるようになるのだ。

 

「思いやり」にさまざまな効用が

 ドウェイン氏は、「思いやり」や「優しい気持ち」を育むということも、マインドフルネスの重要な効用であると説明する。たとえば自分では気づいていないことを誰かから指摘されたときにも、ムッとせず、優しい気持ちで受け入れられるようになる。こうした指摘は、たいてい自らの成長や、困難に打ち克つためのヒントになるものである。
   マインドフルネスのおかげで組織のメンバーが皆、自己認識や自己制御ができ、思いやりをもっていれば、人間関係のもつれなどにエネルギーを費やす必要はなくなる。そうすれば本来の仕事に集中できる。
   思いやりとは、他者の視点から物事を見られるということでもある。だから思いやりをもった人が一人でも増えれば、クライアントやパートナー、そして身近なコミュニティなどに対して共感をもって仕事をすることができるはずだ。その共感が有益なアイデアやクリエイティビティのもとにもなるのは間違いない。

 

マルチタスクから「静かな集中」へ

 インテルにも「Awake@Intel」というマインドフルネスプログラムがある。同社ではマルチタスクであることを評価する社風があった。だが、それが社員たちを疲弊させていることが問題視され、マインドフルネスを導入することになったのである。
   導入により、社員たちは、たとえば社内の廊下を歩くときに、自らの呼吸や、窓からの日差しを自分がどう感じているかなどに注意を向けられるようになった。以前は、仕事の予定や課題など、さまざまなことを同時に考えながら歩いていたのだ。散漫な思考や感情を「静かな集中」に変える能力が身についたおかげで、多くの社員が高いパフォーマンスを上げられるようになったという。
   マインドフルネスは仏教にルーツがあるが、グーグルに導入されたトレーニングは宗教とは完全に切り離されたものだ。ドウェイン氏は、大切なのは「マインドフルネスを“宗教の実践”ではなく“人間の営み”と捉えることだと話している。

 

(文・情報工場

 

情報工場
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目次

  1. 1. グーグルにおけるマインドフルネスの取り組み
  2. 2. マインドフルネスの実践と未来

◎著者プロフィール

サンガ編集部
宮城県仙台市に本社をもつ出版社、株式会社サンガの編集部。主に仏教に関連した書籍や、仏教のリアルを探す総合誌「サンガジャパン」を編集・発行。また、音楽ソフトやグッズ等を製作・発売するほか、瞑想会などを主催している
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