ニッポン病院食堂紀行

【第3回】北海道・札幌市|北海道大学病院レストランROYAL

おいしさと安心を提供する、こだわりの病院内レストラン

病気と闘う患者さまや医療スタッフを陰ながら支える病院食堂。かつて病院の食堂といえば質素で地味なイメージがありました。しかし、現在はインテリアやメニューの彩りにも気を配り、レストランやカフェのように明るい雰囲気の店舗が全国各地に増えています。一流レストラン顔負けの豪華ランチプレートを提供する店や、スタイリッシュなインテリアが注目される食堂もあり、話題に事欠きません。また、生活習慣病に悩む人が増える現代では、病院食堂の健康的なレシピにも注目が集まっています。本シリーズでは、そんなバラエティ豊かな病院食堂の魅力を紹介します。

今回ご紹介するのは北海道大学病院の1階にある「レストランROYAL」です。「みんなが元気になる食堂」を目指し、病院関係者や一般客はもちろん、外来患者や入院患者も安心して利用できるメニューを提供しています。

※記事内の価格は全て消費税込みの価格です。また、掲載している内容は全て取材当時のものです。その後変更されている可能性もありますので、ご了承ください。

 

1.北海道大学病院レストランROYAL

広い敷地にたたずむ北海道大学病院

 

北海道大学は、1876年に設立された札幌農学校を前身とする総合大学です。同校の初代教頭であるウィリアム・スミス・クラークの言葉「Boys,be ambitious」(少年よ、大志を抱け)は、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。2003年に医学部附属病院と歯学部附属病院が統合され「北海道大学病院」となりました。高度医療の提供や新治療法の開発、難病治療などの道内最後の砦としての機能を担っています。

今回訪問した「レストランROYAL」は、北海道大学病院の1階、コンビニエンスストアやコーヒーショップ、アイスクリームショップなどが集まる憩いのエリアの一角にあります。外食産業などを手掛けるロイヤルホールディングスのグループ会社が2013年5月から営業を開始しました。1日の利用者数は、一般患者、病院職員を含めて平日約450~500人、土曜は約150人、日曜は約100人。ランチタイムには病院職員も利用しており、週3~4日通う常連の先生も多々いるそうです。

 

正面は開放的なガラス張り

 

2.病院内レストランのこだわり

「健康で美味しい」がROYALのコンセプト。メニューにはカロリーや塩分が表記されているほか、アレルギーが気になる方にはどのような材料が使われているかなどを丁寧に説明しているそうです。月次メニューの実施や、意見箱を設置してサービスの向上に役立てるなど、味のこだわりとともに、利用者に寄り沿ったサービスを追求していると言います。

 

ナチュラルテイストな店内。車椅子対応の可動式テーブルも2席設置

 

取材に訪れたのは1月。凍てつく寒さで冷え切った体を温めてくれる、鍋焼きうどんや、冬が旬の牡蠣を使ったフライやハンバーグなど、冬の北海道にふさわしい「季節のおすすめメニュー」が目を引きます。他にも、レギュラーメニューは食品サンプルがディスプレイされ、まるで街中のファミリーレストランに来たかのような雰囲気です。

 

見て選べる商品サンプルメニュー

 

人気メニューは、北海道大学病院の管理栄養士が考案した「コラボメニュー」。月曜日から金曜日まで11時から限定販売されています。これは同病院の入院患者に提供されている食事を一般向けにメニュー化したもの。
取材時は、「さっぱり牛しゃぶ定食」「野菜たっぷり棒々鶏定食」「豆腐ハンバーグ定食」「ザンギ定食」などのメニューを週替わりで提供していました。ヘルシーな上に各760円と手軽な価格なため、13時前には売り切れてしまうそうです。

ちなみに、北海道大学病院栄養管理部では、「味気ない」「おいしくない」と思われがちだった病院食のイメージを変えるべく、入院患者へ提供する病院食の「食べやすさ」「おいしさ」にこだわった健康食レシピの研究を進めているそうです。2015年8月には『北海道大学病院のおいしい健康ごはん』(北海道新聞社発行)を出版しています。

 

北海道大学病院とのコラボメニューは7種類用意

 

他にも、オムライスやかつ重、ちゃんぽん、地元の特産品をじっくり煮込んだカレーなども人気です。14時から16時までの時間限定で、パンケーキもいただけます。

メニューの他にも、病院食堂だからこその配慮や工夫が随所に光ります。

まず、食事の提供時間。診察の待ち時間や休憩時間に食事をする人が中心のため、注文を受けてから10分以内の提供を目指しています。熱いものはアツアツを、冷たいものは冷たい状態で、食事を楽しんでもらえるよう心がけているそうです。

食事の量にも工夫がありました。個人の食事量に合わせたサービスを提供するため、定食のごはんは「少なめ」「普通」「大盛」の3タイプを用意。あまり量を食べられない方には、要望に応じてお子様ランチやミニカレーなども提供していると言います。

 

スピーディーな提供を心がけている

 

加えて、入院期間が長く外に出る機会が少ない患者さんにも季節の変化を感じていただきたいと、クリスマスシーズンにサンタの帽子を被って接客するなど、食事の提供以外のホスピタリティにも力を入れているそうです。

 

3.実食! 入院患者にも嬉しいファミレスのテイスト

人気メニューの一つ、オムライスをいただきました。香ばしいケチャップライスがふんわりと焼き上げられた卵に包まれ、濃厚なハッシュドビーフソースがかけられています。味・量ともに全体のバランスがよく、系列のロイヤルホストでも人気のメニューです。入院期間中に、普段食べていたお店の味が恋しくなる方もいるでしょうから、ファミレスのテイストが味わえるのは嬉しいことです。

 

人気のオムライスは安定感のあるおいしさ

 

ふんわりとした卵とライスの相性が抜群

 

なお2019年4月よりメニューを変更予定なのでご注意を。高齢のお客さんが増えていることから、洋食中心から一部に和食や和のテイストを取り入れたメニューに変更するそうです。デミグラスソースを使ったハンバーグは和風おろしハンバーグに、蕎麦定食に添えられるご飯ものは、海鮮丼・豚丼・味噌ザンギ丼の三品から選べるようにするなど、選択のバリエーションも増やすとのこと。楽しみですね。

人気のオムライスも、濃厚なブラックデミグラスソースにチーズを使ったハイグレードな料理にバージョンアップされます。スタッフの間で行われた試食会でも大好評とのことですので、期待が高まります。

 

4.とてもお得なディナーセット

ROYALから、病院で働く医師の皆さまや利用者さまへメッセージをいただきました。

外来診療が落ち着く午後は、比較的スムーズにご案内できます。同僚の先生をお誘い合わせの上ご来店ください。17時からはお得なディナーセットを用意しております。「ポークロースしょうが焼き」「ハンバーグ&ソーセージグリル」「ミックスフライ」をいずれも920円でご用意しております。ぜひご賞味ください。4月にはメニュー改訂も予定しており、利用されるお客様により喜んで頂きたく計画しております。

 

5.店舗情報

レストランROYAL

住所:
〒060-8648
北海道札幌市北区北14条西5丁目
北海道大学病院1階

営業時間:
平日8時~20時
土曜日10時~20時
日・祝日11時~15時 L.O.閉店30分前

※本記事に掲載の情報は2019年1月に取材した内容を元にしています。

 

<参考>
北海道大学病院
北海道大学
ロイヤルホスト

 

【関連記事】
「ニッポン病院食堂紀行【第2回】愛知・名古屋市|新鮮多菜 CAFE&RESTAURANT にんじん」
「Dr.石原藤樹の『映画に医見!』【第9回】|神様のカルテ~地域医療と医者患者関係の理想を描いた詩的な佳作」
「時空を越えて求人票が届きました。|第8回 修道女ヒルデガルトの右腕となる医師募集」
「東京恋愛百景~都会の夜と独身こじらせ医師たち」雨月メッツェンバウム次郎 氏(某病院勤務 消化器外科医)
<PR>北海道の人気医師求人と転職市場動向

 

求人をみる/アンケート会員に申し込む

医師転職ドットコム 医師バイトドットコム 医師アンケート会員登録

コメントを投稿する

コメント
投稿者名(12文字以内)

ページの先頭へ