「こんな当直室はちょっと…」医師が避けたい当直室の特徴とは?
医師の約4分の3が対応する夜間の当直業務[1]。その当直中の医師が基本的に過ごす場所となるのが「当直室」です。長時間の待機業務となるため、休めるときにしっかり休めることが当直室には求められますが、実際のところどのような環境になっているのでしょうか?
2021年6月に株式会社メディウェルが医師1,730名に調査した「職場の機器・設備に関する医師アンケート」から、医師の当直室に関する実情を見ていきます。
医師が不便や不快に感じる当直室の環境 TOP5
当直室の環境で医師がこれまでに不便や不快に感じたことについて、回答の多かった上位5つの項目は以下のようになっています。
1.当直室が汚い
- ・当直室がほこりっぽい(30代女性、呼吸器内科)
- ・当直室が汚い(30代男性、放射線科)
- ・当直室が下水臭い(40代男性、整形外科)
2.当直室にトイレやシャワーがない
- ・当直室に、バストイレがないので、廊下で人と会わないかヒヤヒヤする(50代男性、皮膚科)
- ・当直室とトイレが遠い(30代男性、精神科)
- ・当直室にシャワーがない(50代男性、小児科)
3.当直室のベッド・寝具の環境が劣悪
- ・当直室の布団が共用(40代男性、緩和ケア)
- ・当直室のベッドが硬く、疲れが取れない(30代男性、麻酔科)
- ・当直室のベッドの幅が狭い(50代男性、循環器内科)
4.インターネット環境が整備されていない
- ・当直室にWifiがないこと(30代女性、産婦人科)
- ・当直室にWi-Fiが通じてない(20代男性、麻酔科)
- ・wifiがない(40代男性、泌尿器科)
5.プライバシーの保たれない環境や騒音
- ・当直室に扉がなく、人が通る度に起こされたことがある(30代男性、脳神経外科)
- ・当直室環境が悪く、他の当直者の電話や音で眠れなかったり、起きたりすることが多い。(40代男性、消化器外科)
- ・当直室の鍵がない(40代男性、泌尿器科)
その他には、「当直室に水道がない所は不便です。(30代女性、一般内科)」「当直室のエアコンが古い(30代女性、消化器内科)」といった回答もありました。
医師の当直室に関するこうした事情は、以前Twitter上で多くの医師が参加し話題となったハッシュタグ「#クソ当直室オブザイヤー2017」のまとめにも多く見られます。
翌日も勤務を控えている医師が夜間に当直する中、当直室がこのような環境だと、休息も気分転換もままならなそうです。
医師が当直室の環境でチェックしておきたいポイント
医師はアルバイト当直する場合も多いですが、初めての病院で勤務する場合には事前に当直室の環境をチェックすることも重要です。
そのときは、以下のポイントをチェックできるとよいでしょう。
加えて、過去に勤務したことのある医師からの情報も参考になります。
なお、医師バイトドットコムを運営する株式会社メディウェルでは、非常勤担当のコンサルタントが上記の情報も含めて医療機関に確認し、医師に情報提供しています。
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同じ1回の当直でも、ホテルのような快適な環境で過ごせた当直と、全く休まらないような不快な環境で過ごした当直では、翌日の医師の疲労感やパフォーマンスにも違いが出ると考えられます。
医師にとって少なからず負荷のかかる当直業務。せめて休めるときはしっかり休めるような環境を整えられるようにしていきたいですね。
(文=エピロギ編集部)
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<注>
- [1] 2017年に実施したアンケート調査では、当直ありの勤務をしている医師が73.2%となっていた(「医師の当直の実態とは?1,649人の医師のアンケート回答結果」参照)。