医師専門コンサルタントがお答えする 勤務医の為の高額年収の稼ぎ方

人はパンのみに生きるものに非ずとはいえ、やはりパンなしには生きられないものであり、それは医師であれ同様です。「第21回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」(中央社会保険医療協議会、平成29年11月)によると一般病院に勤務する医師の平均年収は1488万円(※1)ですが、実際のところ職業としての「医師」の高年収とはどのくらいなのか、またどのような働き方をすればよいのか、医師専門のコンサルタントに伺ってみました。

※本稿は、2016年1月14日に公開したものを大幅に加筆・修正し、2020年7月13日に再公開したものになります。

調査概要
  1. 1.勤務医の世界における“高額年収”の基準は1,800万円
  2. 2.特に希少性が高いのは2,500万円以上の求人
  3. 3.大枠において社会的需要の大きい領域において高いスキルを求められる働き方に対して高い年収提示が伴う傾向がある
  4. 4.非常勤勤務の活用や勤務場所を変えることで一般的な勤務医でも2,500万円以上の年収を実現する事は可能
  5. 5.高額な年収提示には必ず理由があるので、プロのコンサルタントにリサーチを依頼するのが望ましい

勤務医の世界における“高額年収”の基準は1,800万円?

医師転職ドットコム」や「日経メディカルキャリア」、「m3.com CAREER」などの勤務医を向けの代表的な求人サイトは、求人検索欄に「高額求人」の選択肢が用意されていますが、その額はいずれも「1,800万円以上」。また、予想年収に応じた求人検索もできるようになっており、「m3.com CAREER」は2,000万円以上、「医師転職ドットコム」は年収2,500万円以上、「日経メディカルキャリア」は年収3,000万円以上、での求人が検索可能となっています。
これを見ると、1,800万円と25,000万円が、勤務医にとっての高額年収の基準を考える上での、ひとつのラインではないかと思われます。

 

2,500万円以上稼ぐ働き方とは?

試しに2020年7月10日に医師転職ドットコムで「年収1,800万円以上可」という条件で求人検索したところ、7,579件ヒット しました。さすがに多すぎるので、絞る為に「年収2,500万円以上可」という条件で再検索したところ、全国で536件まで減りました。これらを詳しく見てみると、広義の内科系の募集が205件、外科系が198件と、あらためて2,500万円を超える求人の希少性が浮き彫りになる結果となりました(※2)。
これらは具体的にどのような働き方なのか。株式会社メディウェルで、これまでに300人以上の医師の転職をサポートしてきた片田祐生氏に話をうかがいました。

 

紹介会社のコンサルタントに聞く2,500万円以上稼ぐ働き方とは?

—— 全国規模で医師の求人紹介を行っている当社でも、年収2,500万円を超える求人は非常に希少ですが、具体的にそれらの特徴を教えていただけますか?

片田 具体的な話をする前に、読者の方にはっきりとお伝えしたいのは、「高額な年収が提示されている求人には、必ず理由がある」という事です。
資本主義社会である以上、医師の年収も需要と供給の均衡により大きな傾向が形作られ、最終的に診療報酬=行政の方針との掛け算に基づき決定します。つまり、雇用市場の相場を大きく上回る年収提示は、大枠において社会の需要が大きいものであるか、診療報酬上優遇されている領域であると言えるでしょう
たとえば、少子高齢化という大きな社会的なトレンドを背景に現在の医師転職市場の動向を見てみると、やはり相対的に見ると高齢者向けの診療機会が多い診療科の年収が高くなる傾向があります。

—— なるほど。確かに当社のデータから見る診療科別の年収提示額ランキングでも、在宅医療が1位でしたね(※3)。

 

「【2018年版】診療科別・医師の年収比較~給与の高い科目はここだ!」より

 

片田 そうですね。在宅医療は従来の病院完結型の医療提供体制から地域完結型へと移行を試みる政府の方針があり、間違いなく社会的ニーズは大きい領域です。実際、当社からご紹介可能な求人でも、在宅の領域であれば年収2,000万円を超える提示は、そこまで希少ではありません。3,000万円以上という提示額も地域や勤務条件によってはあり得ます。
しかし、これはコンサルタントとしての所感ですが、転職やキャリアチェンジの候補先として在宅医療を選ぶ医師は、まだまだ少ない印象です。特に病院の外来などを中心に勤務している医師にとっては、業務としての訪問診療がイメージしづらかったり、漠然とした不安を抱いている方が多いからではないかと個人的には感じています。

—— 社会のニーズは高い 一方で、“スキルのレベル”や“コミュニケーション能力”を求められる求人の年収が高くなる傾向にあるという事でしょうか?

片田 そうですね。その文脈で言うと、顕著に年収が高くなるのは自由診療の美容形成外科や、産婦人科の分娩・不妊治療などの求人ですね。「美しくありたい」だったり、「妊娠」という普遍的な需要に対するソリューションを提供する働き方でありながら、高度なレベルでその治療やサービスを提供できる医師はまだまだ少ないのが実情です。なので、結果的にこれら診療科目においてスキルやコミュニケーション力、また実績のある医師の年収は高くなる傾向です。院長職ですと、3,000万円を超えるオファーもあります。

—— 3,000万円はすごいですね! しかし、こうなってくると専門的な診療科に従事しないと、医師が2,500万円以上の年収を稼ぐのは難しいような印象を受けますが、実際のところはどうなのでしょう?

片田 そのレベルの高額な年収を得られる求人は決して多くないのは事実です。しかし、医療機関によってはインセンティブ制を給与体系に取り入れている法人もありますので、そうしたところでは実力次第でそれなりの給与に達する可能性があります。また、週4.5~5日の常勤に加えて、週1の日勤もしくは月1回の日当直をアルバイトで行う事で、2,500万円以上の総額年収を得ている先生は多数いらっしゃいますし、年収を重視する先生には、こうした働き方を当社から提案することが多いです。 また、年収アップを優先するならば、医師不足している地域の医療機関を勤務先として選ぶのはひとつの手段です。たとえば、中四国方面の主要都市から高速道路で1時間ほどかかるようなところにある急性期病院などは、一般常勤医でも週1回の当直で2,300万円前後を標準年収として設定していたりします。

 

105_医師が得する'お金'のハナシ_2018_図1

「【2018年版】地域別、医師の年収比較~生涯年収の地域差が縮小」より

 

—— なるほど! 働く場所を変える事で年収はそれだけ変わるのですね!

片田 そういう意味では、ある意味究極の選択肢としては、離島やへき地の診療所の求人なども当社は紹介できます。都市部とはまた違った覚悟を求められる就業先である事は間違いありませんが、こうしたところだと、診療所の一般常勤医でも2,500万円を超えるところもございます。

—— 離島! ここでもキーワードは「需要と供給」ですね!

片田 とはいえ、注意をしていただきたいのはどんな求人であっても、具体的に応募を検討する際には募集背景や求人内容の詳細を確認は必ずすべきであるという事です。うまい話には大概裏があります。そういう意味では、年収が高い求人には、間違いなく高い理由があるので、それを確認するのが“納得のいく転職”には重要です。ですので、手前味噌のPRにはなってしまいますが、転職活動の際は、プロのコンサルタントにリサーチを依頼する事を強くお勧めします。ぜひご相談ください。

※メディウェルのキャリアコンサルティングサービスに関して

 

まとめ

以上、求人ポータルの掲載求人や、医師専門コンサルタントへのインタビューを通じて、あらためて医師として「高年収」を実現する働き方について考察してみました。「需要と供給」というキーワードが随所で見られましたが、中長期的な社会のニーズや自らの診療科目が必要とされている地域をリサーチする事が、ひとつのポイントである事は間違いなさそうです。

 

(文・エピロギ編集部)

 

<参考>
※1.「第21回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」269p(中央社会保険医療協議会、平成29年11月)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/21_houkoku_iryoukikan.pdf
※2.2020年7月10日16:00現在
※3.「【2018年版】診療科別・医師の年収比較~給与の高い科目はここだ!」

 

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「【2018年版】地域別、医師の年収比較~生涯年収の地域差が縮小」
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片田祐生(かただ・ひろお)
株式会社メディウェル マーケティングシステム本部 本部長。
一橋大学社会学部卒後、7年に渡り日本全国の医療機関の採用支援と医師の転職支援を行う。医師専門コンサルタント、マネージャー、東京営業所所長を経て現職に至る。業界最大級を誇る医師専用求人ポータル、「医師転職ドットコム」や「医師バイトドットコム」のプロデュースを中心に、「納得いくキャリア」や「満足いく採用」の実現に不可欠なインフラ構築を、マーケティング、ITの観点から推進している。

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