医師が得する"お金"のハナシ

【2018年版】診療科別・医師の年収比較~給与の高い科目はここだ!

診療科別の給与水準のハナシ、気になる医師の方も多いのではないでしょうか? エピロギ編集部は、医師向け転職サイトの求人票データを元に、診療科別の年収提示額を算出し、ランキング化。前回の記事「【2017年版】診療科別・医師の年収比較~給与の高い科目はここだ!」に掲載した2017年版ランキングとも比較しながら、最新の動向を読み解きます。

 

診療科別 年収提示額ランキング

以下の表は、医師向け転職サイト「医師転職ドットコム」に2018年10月時点で掲載されていた常勤医の求人票を元に、診療科ごとの給与(年収)の平均値をランキング化したものです。全国の病院、クリニックなどの求人票の中から、地域や求められる経験年数を問わず、無作為に3,988求人を抽出した上で、提示されている給与(年収)の下限値の平均を算出しました。また、2017年版の順位と、そこからの変動額も記載しています。

 

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精神科・産婦人科の年収提示額が大きく増加

年収提示額(下限)の平均値が1,300万円を超えた診療科は、在宅医療、精神科、整形外科・スポーツ医学、産婦人科、一般内科、リハビリテーション科、泌尿器科、消化器外科、脳神経外科の9科目で、2017年版の11科目からほぼ横ばいでした。全診療科の年収提示額の平均値は1,297万円で、精神科、整形外科・スポーツ医学、泌尿器科、脳神経外科などの提示額がアップした反面、7割の診療科で提示額が減少しており、診療科ごとの待遇差の拡大が見られました。

年収提示額の1位は在宅医療で、過去2回のランキングと同様の結果となりました。在宅医療の年収提示額が高い理由としては、外来と比べ診療報酬が高く設定されていることや、夜間対応への手当が含まれていることなどが考えられます。2018年の診療報酬改定において、質の高い在宅医療の実現に向けた評価項目の拡充が行われたことを受け、今後も同様の傾向が続くと見られます。病院の採用支援に取り組むコンサルタントからも「在宅医療に取り組む医療機関はクリニックを中心に引き続き増加している」との声が聞かれました。

2位の精神科は、前年から76.7万円の大幅なアップとなりました。要因の1つと考えられるのが、精神保健指定医を対象とする求人の増加です。措置入院などの判断を行う権限を持つ精神保健指定医は、非指定医よりも良い待遇が提示される傾向があります。2017年版の集計時には指定医資格を必須条件とする求人は全体の5.9%でしたが、2018年版では12.1%に増加しました。また指定医資格を必須条件とはしないものの、要件を満たし取得が見込める医師や、将来的に取得を予定している医師を求める医療機関を含めると、この割合はさらに大きくなると見られます。前述のコンサルタントは「実感として3~4割の医療機関が指定医に限定した採用をしている」と見解を示しました。
これは聖マリアンナ医科大学病院に端を発し、2015年以降に相次いだ不正取得の発覚から時間が経ち、認定方法の見直しなどに関する検討が進んだことによる影響と考えられます。一時的に審査が滞ったことで指定医の人数が伸び悩み、採用が難しくなったため提示額が上がったとも考えられますし、要件見直しのめどが立ったことで求人に占める指定医の割合が増え、提示額が上昇したと見ることもできます。また2018年の新専門医制度の運用開始に伴い、主に大学病院で専門医資格を取得するキャリアパスが明確になったことで、非指定医を対象とした求人が減少したためと考えることもできそうです。

4位の産婦人科も前年から92.7万円の大幅なアップとなりました。首都圏では産婦人科医不足に悩む病院は以前よりも減っていると見られますが、地方では依然として人材不足が続いていることが、年収提示額に影響したものと考えられます。また不妊治療を受ける人が増えたことから、自由診療に積極的なレディースクリニックなどの求人が増え、提示額の引き上げにつながった可能性もあります。

 

診療報酬改定、新専門医制度開始の大きな影響は見られず

2018年度の診療報酬改定では、医療ニーズが急増する「2025年問題」を見据え、患者の状態に応じた診療を適切に評価するための項目の改定が行われました。例えばリハビリテーションの分野では、医療と介護の連携を促進するため、リハビリテーションを担う医療機関の施設基準が緩和されました。また腎臓内科の分野では、適切な腎代替療法を推進する目的で、慢性維持透析の点数が引き下げられました。2018年版の調査ではこれらの改定の大きな影響は見られませんでしたが、2019年以降の年収提示額に影響を与える可能性があります。

2018年4月からは新専門医制度の運用が開始しました。研修基幹施設の要件が従来よりも厳しくなったことを受け、指導医となる医師の求人が増える可能性もありましたが、2018年版の調査結果では大きな影響は見られませんでした。
また新専門医制度では、各分野の学会が、専門医資格の更新要件を策定するものとされています。2018年10月の時点では大きな影響は見られませんでしたが、2019年度以降は麻酔科専門医の更新要件が「週3日以上の麻酔科勤務」から「単一施設での週3日以上の勤務」へ変更になることが発表されています。「単一施設での勤務」が条件に加わることにより、週3日の求人が増えた結果、年収提示額に影響が現れる可能性もあります。ご自身の専門科目については、更新要件が今後どうなるのか、各学会の動向を確認しておくことをお勧めします。

ここまで診療科別の年収提示額の変化と、その背景を考えてきました。皆さんの診療科は何位にランクインしていたでしょうか?

なお、集計した年収提示額は、求人票にて「○○万円~」と記される年収の最低額(下限値)より算出したものです。多くの求人票には年収の「下限値」と「上限値」が記載されており、それらの中にも大きな金額の幅があります(下限値のみ記載の求人票もあり)。
また求人票にはさまざまな地域、施設形態、役職などの募集が含まれており、時期によって内訳が異なるため、それらの偏りによって平均提示年収が変動することもあります。紹介した金額はあくまで参考としてください。

2018年版のランキングでは、精神科や産婦人科などの一部の診療科で大きな変動がありましたが、制度改正の影響はあまり見られませんでした。2019年以降の年収提示額はどのように変化するのか、「エピロギ」では引き続き推移を追いかけていきます。

(文・エピロギ編集部)

<参考>
厚生労働省「平成30年度診療報酬改定の概要」
厚生労働省「精神保健指定医の指定に関する要件・実施方法等の見直しについて」
国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」
日本専門医機構「『専門医の更新』に関する補足説明」

 

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