医師の給料ホントのトコロ

第1回 「地方のほうが給与は高い」は本当?

「自分の収入は働き方に見合っているのか?」
普段、心の中では気になっていても、なかなか話題にしづらい給料のハナシ。
このシリーズでは各種の資料を読み解き、医師の賃金の実態を明らかにしていきます。

一般に、サラリーマンの年収は地方より都市部のほうが高いといわれています。しかし、医師の給与水準に関してはこれが逆転、地方のほうが高収入というのが定説です。では実際、どれほどの差があるのでしょうか? 統計データを元に、勤務医の給与の傾向を見てみましょう。

 

大都市圏とその他地域の年間賃金格差は最大1.75倍

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図表は、病院勤務医の年間賃金を、経験年数別、および地域別に記載したものです。
年間賃金は所定内給与(※1)の12カ月分と年間の賞与・一時金の合算であり、所定外給与(※2)は含みません。

※1 基本賃金に役付手当、家族手当、住宅手当などを加えた、所定の労働時間内の労働に対して支払われる賃金
※2 残業手当や休日出勤手当など、所定の労働時間外の労働に対して支払われる賃金

これを見ると、年間賃金は、概ね「政令指定都市および東京23区」(以下、「大都市圏」)よりも、その他の地域のほうが高額であることが分かります。
特に経験年数0年では1.75倍の格差があり、金額にして約300万円も違います。

ただ、こうした大都市圏とその他地域の賃金格差は、経験年数が増えるにつれて徐々に小さくなっていきます。経験年数0年で1.75倍の格差が、1~5年では1.2~1.38倍、10~20年では1.12~1.16倍に。25年では1.07倍まで下がります。経験年数が35年になると、格差は0.98倍となり、微差ながら大都市圏のほうが年間賃金が高くなっています。最終的な賃金の水準は、全国平均、大都市圏、その他の地域でほとんど差がないといってよいでしょう。

 

生涯賃金では5,000万円ほどの差に

上記のデータを元に、経験年数0年から35年間勤続した場合の年間賃金の合計値(生涯賃金)を推計すると、以下のようになります。

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大都市圏の生涯賃金がおよそ4億5313万円であるのに対して、その他の地域はおよそ5億548万円です。金額にしておよそ5,000万円、1.12倍の開きがあります。

個人の賃金は、勤務先病院の規模や経営状態、診療科、勤続年数、役職の有無などによっても大きく変わりますので、すべての医師がこの例に当てはまるわけではありません。
ただ全体の傾向として、勤務医の生涯賃金は、大都市圏とその他の地域で大きな開きがあるといえるでしょう。

(文・エピロギ編集部)

 

※生涯賃金推定値の算出方法

引用元のデータに記載のない経験年数
(2,4,6,7,8,9,11,12,13,14,16,17,18,19,21,22,23,24,26,27,28,29,31,32,33,34年目)の年間賃金を、前後の経験年数の賃金より推定した上ですべて合算。
経験年数2年目と4年目は、それぞれ経験年数1,3年目と3,5年目の年間賃金の中間値を採用。
そのほかの経験年数については、5n年目から5(n+1)年目まで(nは自然数)は経験年数と年間賃金が正比例の関係にあると仮定し、以下の計算式により算出。

○a=5n+b (nは自然数、b={1,2,3,4})とした場合の、a年目の年間賃金推定値

a年目の年間賃金(推定値)
={5n年目の年間賃金}+[{5(n+1)年目の年間賃金}-{5n年目の年間賃金}]*b/5

 

<参考>
医療経営情報研究所編『2015年版 病院賃金実態調査』(経営書院、2015)

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