第2回 平均年収の高い診療科はここだ!
普段、心の中では気になっていても、なかなか話題にしづらい給料のハナシ。
各種の資料を読み解き、医師の賃金の実態を明らかにしていくこのシリーズ。
第2回は診療科別の給与水準の違いを見てみましょう。
診療科別 年収提示額ランキング
以下の表は、医師向け転職サイト「医師転職ドットコム」(http://www.dr-10.com/)に2015年2月時点で掲載されていた常勤医の求人票を元に、診療科ごとの給与(年収)の平均値をランキング化したものです。
全国の病院、クリニック等の求人票の中から、地域や求められる経験年数を問わず、無作為に4,048求人を抽出した上で、提示されている給与(年収)の下限値の平均を算出しました。
平均値が1,300万円を超えているのは在宅医療、腎臓内科・透析、整形外科・スポーツ医学、精神科、一般内科の5つ。全診療科での平均値は1,276万円でした。
1位の在宅医療、2位の腎臓内科・透析、3位の整形外科・スポーツ医学に加えて、内科系では5位の一般内科に次いで老年内科が7位に入っており、高齢者向けの診療機会が多い診療科が上位を占める傾向が見られます。
一般的に給与水準が高いとされる外科系の診療科は、9位以降、ほとんどが中堅どころの順位にランクイン。この理由としては、外科系医師はある程度の年齢でメスを置く人が多く、他科と比べ医師免許取得後の年数が短い人の割合が高いため、全ての求人の中で見ると給与額が低めになってしまうことが考えられます。また、年齢が上がり外科を引退して転科する医師が、他の診療科の順位を押し上げている可能性もあります。
また、内科・外科ともに、「一般内科」「一般外科」が最も順位が高く、「消化器内科」「脳神経外科」など専門別の内科・外科は少し給与水準が落ちています。ただしこれも専門別の内科や外科は人気が高く若手の給与水準が比較的低いため、経験年数を問わない全ての求人の中でみると、給与提示額がやや抑え気味になっている可能性があります。
なり手不足が叫ばれる産婦人科は10位。どの産婦人科も人材の確保に力を入れているということでしょうか。ただ、同じく人手不足が指摘される救急医療科と小児科は、25位、29位と下位になっています。
眼科は意外にも(?)18位と控えめな順位にランクイン。ただしこれは「雇用される側の医師」の給与のため、開業者の場合は事情が違ってくるかもしれません。
中には「年収4,000万円」の求人も
多くの求人票には、医師に提示する給与額として年収の「下限値」と「上限値」が記載されています。(下限値のみ、上限値のみ記載の求人票もあり。)このうち、「下限値」の最低値は500万円、最高値は2,880万円でした(※1)。
他方、「上限値」は最低値が700万円だったのに対し、最高値はなんと4,000万円! 2012年度の民間病院長の平均年収がおよそ3,097万円(※2)ですから、その1.3倍超にもなります。美容系の求人なのですが、一体どんなお仕事内容なのか、気になって仕方ありません。
※1 最低値、最高値とも一般内科、一般外科など複数の診療科の募集。
※2 厚生労働省「第18回医療経済実態調査」
(文・エピロギ編集部)
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