ドクターだって人間だものっ!
自分だけじゃなかった!
アンケートから見えてきた医師のホンネ、アレやコレ
なんて。いったいどこのドクターでしょうね。
多くの方々に「優雅な毎日を送っている」と思われがちな医師業。ともすると、「あれ、苦労しているのは私だけ?」なんて、同じ医師でもつい気になってしまいます。
そこで、あるアンケートを元に「人間・ドクター」の実情をちょっとのぞき見。多くの医師のキモチやホンネをちょっとだけ探って見たいと思います。
医師だって毎日悩んでる!
メディウェルが転職支援サービスについてのアンケートを行ったところ、1,478名の勤務医・開業医から回答が得られました。その結果、約30%の医師が「転職したい」と考えていることがわかりました。中には「今すぐしたい」と考えている人も。それだけ多くの医師が毎日の生活や仕事、そして職場の環境などに悩んでいるということだと考えられます。
もちろん、どんな職場にだって悩みや苦労はあるもの。この30%の医師全員が転職するわけではありません。それでも、医師全体の30%近くが毎日の仕事に何らかの悩みを持ち、「転職」の文字を思い浮かべながら過ごしているのです。
うちの職場ってどうなの?
では、皆さん一体何にお悩みなのでしょうか。
まず、毎日の悩みとして一番想像しやすいのが毎日の仕事や職場に関する悩みです。医師業はさまざまなストレスと向き合い続けなければならない職業。この重圧に耐え続けることは、言葉にしがたい苦労に違いありません。
アンケートを見ると、その苦労の大きさが浮き彫りになる結果に。
日常的なオンコールへの対応や、業務時間外での呼び出し・対応など。医師業に求められる責務には、プライベートを削るものが非常に多いもの。この事実がご家族との団らんや安らぎを削り取る結果になっているのです。医師業に従事する多くの方々が「一般的な家族との幸せ」と仕事の狭間で悩んでいることが分かります。
こうした悩みの軽重は、職場のサポート体制によっても随分変わるものです。しかし、現在の勤務先と他の職場環境を、比較できる医師は少ないはず。
「ウチの病院、もしかしてブラックなんじゃ……」
「もしかして、隣の病院はもっと待遇がいいんじゃ……」
他の医療施設と比較する方法がないからこそ、多くの医師が悩んでしまうのです。前項では転職したいと考える医師の80%以上が「今は情報収集の時期」と答えていましたが、その大部分は、この「自己と他者の比較ができずに悩んでいる層」に当てはまるのではないでしょうか。
こうした結果を受け、『エピロギ』では以前『医師から見た「働きやすい病院」とは』という記事を掲載しました。今の勤務先を改めて見直し、評価するためのヒントを現役医師が語る特集です。ぜひこちらもご参照いただければと思います。
<参考>
■医師から見た「働きやすい病院」とは(前編)
■医師から見た「働きやすい病院」とは(後編)
医師だって収入の悩みはある
もうひとつ、なかなか自他の比較が難しいモノがあります。それが「給与」。一般の方々の印象では医師という職業は高収入の代名詞。しかし、実は多くの医師が自分の収入について悩んでいるのです。
自分の給与について他人と話すのはなかなか難しいものです。しかし、これまでの調査によると、大都市圏と地方それぞれの医師の収入には、最大で1.75倍もの開きがあるという結果も。気にならないはずがありません。
仕事として「医師を生きる」以上、収入のあり方は満足のための大事な指標のひとつ。自らの誇りのために、そしてご家族の笑顔のために。収入の悩みは、医師が転職を意識する理由として決して小さなことではないはずです。
<参考>
連載/医師の給与のホントのトコロ?
【第1回】「地方のほうが給与が高い」は本当?
【第2回】平均収入の高い診療科はここだ!
【第3回】医師の1時間あたりの収入はいくら?
「医師」も「意思」を前面に出せる時代
「医師」は生き方であると同時に「職業」です。一般の方々が「医師」に対して抱くイメージとは別に、それぞれの「人としての生き方や悩み」があるものです。その悩みが自分の努力によって解決しがたいものであるなら、やはり「転職」という結論もあって良いのかもしれません。
近年、さまざまな医療制度改革のおかげで「医師」という職業にも個性豊かでやりがいに満ちた選択肢がたくさん生まれています。
人を癒やす「医者」としての専門医を極める「医師」。
執刀医からハリ医へと転身した「医師」。
企業や組織を支え、労働者を支える「医師」。
中には宇宙に飛び立ってしまう「医師」だっているのです。
現代はすでに「意思」をもって「医師」のあり方を選ぶ時代になっているのです。
皆さんが抱える日々の悩み。そこにこそ、「医師」としての皆さんをさらに輝かせるきっかけが眠っているのかもしれません。
<参考>
■メスを置き、リハ医として生きる
■“行きたい病院”に転職するために、押さえておきたい!
医療機関が医師の採用時にチェックする3つのポイント
■医者として正しい「専門医」へ
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