ハンガリーの医大生活~海の向こうの医学生より~

【第7回】年に一度の大イベント「センメルワイス・カーニバル」

吉田 いづみ さん(ハンガリー国立センメルワイス大学医学部)

皆さま、こんにちは。ハンガリーの首都ブダペストにあるセンメルワイス大学医学部に通う現役医学生、吉田いづみです。
このコラムではハンガリーでの医学生生活や実習の様子、現地で働くドクターやコメディカルの紹介など、私が海の向こうで見て、感じて、体験したことを、1年にわたってお届けします。

第1回でもお話ししたように、私の通うセンメルワイス大学医学部には日本人だけでなく世界各国から学生が集まり、大学生活を共にしています。そして、そんな世界中から集まった学生が交流できる「センメルワイス・カーニバル」という大きなイベントが年に1回開催されます。今回はそのカーニバルをご紹介させていただきます。

センメルワイス大学の歴史

 

文中1

引用元:http://semmelweis.hu/english/the-university/history/

 

センメルワイス大学の前身となるペスト大学に医学部が誕生したのは1769年のこと。約250年前に建てられたこの大学は、1840年に「産褥熱は塩化石灰水で手を洗うことで予防できる」と説いたイグナス・センメルワイスにちなんで1969年にセンメルワイス大学と改称されました。実際センメルワイスも1855年から1865年にかけて10年間、大学の教壇に立ち、医学を教えていたそうです。

海外からの学生向けの英語コースが創設されたのは1987年。現在は1,200名近い学生が英語コースで学んでおり、ハンガリー語、ドイツ語コースを含めると4,000人を超える学生が在籍しています。

 

センメルワイス・カーニバルとは?

 

文中2

引用元:http://semmelweis.hu/english/news/2018/03/ students-from-nearly-20-countries-participated-at-the-international-semmelweis-carnival/

 

さまざまな国の学生が学ぶセンメルワイス大学ですが、日本の大学のようにサークルはなく、ハンガリーの法律で留学生のアルバイトが禁止されていることもあり、同じ学年や同国出身でなければなかなか知り合うことは難しいのが現状です。

そこで、ハンガリー語、ドイツ語、英語コースの垣根をなくし、学年や国籍を問わず交流することを目的としたイベントが毎春開催されています。それがセンメルワイス・カーニバルです。9回目となる今年は20カ国、2,000人以上の学生や教師が参加しました。

普段は怖くて話しかけられない先生方もカーニバルでは陽気になり、とても気さくに話すことができるので、仲良くなるチャンスでもあります。

 

世界各国の料理が楽しめる!

センメルワイス・カーニバルは前半と後半に分かれており、前半は各国の学生が自国の民族舞踊を披露したり、各国の料理を持ち寄って振る舞ったりします。後半はみんなでダンスパーティです。

前半で振る舞われる料理は、国によっては一週間前から準備を始め、とても本格的な味を楽しむことができます。また、ブダペストにある各国の料理屋さんが提供してくれる場合もあります。
イベントで提供される料理にはスペインのイベリコハムやトルティーヤ、イタリアのピザやティラミスといった日本人に馴染みのあるものも多いですが、豆やトウモロコシで作ったインジェラというアフリカ料理など、普段は口にする機会のない料理も味わうことができました。

 

文中3

スイスのブースではスイスチーズやチョコレートが振る舞われました。

 

文中4

こちらはスウェーデンのブース。串に刺さったミートボールがとても美味しかったです。

 

私たち日本ブースでは、今年はお寿司を注文し唐揚げとポテトサラダを手作りしました。生魚に抵抗がある人もいましたが、ほとんどの人は「お寿司は高級品」といったイメージがあるようで、開始して数分でなくなるほど大人気でした。

また、どの国でも日本のアニメや漫画は有名なようで、アニメのセリフなどから覚えた日本語を話している人も多く、アニメや漫画は日本の大事な文化の一つだなと強く実感しました。

 

文中5

日本のブースはこんな様子でした。

 

異文化交流できる環境に感謝

今回のカーニバルを通して、改めて普段から多くの異文化に触れられる環境のありがたさを実感しました。多くの文化を知り、受け入れることで多様性が身につくだけでなく、他国の現状を生の声で聞くことができるためとても勉強になります。残りの学生生活は3年ちょっとですが、できるだけ多くの人や文化、言語と触れ合い、たくさんのことを学んでいきたいと思いました。

次回はハンガリーの医療事情や、医師を取り巻く現状についてご紹介させていただきます。

 

【関連記事】
ハンガリーの医大生活~海の向こうの医学生より~|第6回 ハンガリーだけじゃない! 東欧で学ぶ日本人医学生
「私の決断「18歳で医学部留学」は正解でした。」吉田いづみさん(ハンガリー国立センメルワイス大学医学部)
「医学生だからこそ聞ける“患者の声”がある」荘子万能さん(大阪医科大学医学部医学科)
「学生と市民をつなぐ「医親伝心」~東北大学医学祭レポート【前編】~」
「医師が得する"お金"のハナシ|第13回 留学先でかかる生活費ってどれくらい?」

 

吉田 いづみ(よしだ・いづみ)
1994年福岡県生まれ。生後10カ月で心室中隔欠損症の手術を受け、ものごころついた頃から医師を目指す。高校を卒業後、ハンガリー国立医学大学への留学を決意し、2013年6月に単身でハンガリーへ。現在、ハンガリー国立センメルワイス大学医学部に留学中。

エピロギの更新情報をいち早くお届けします。

  • メールマガジンを購読する
  • facebook公式ページ

コメントを投稿する

投稿者名(12文字以内)
コメント

医師のためのビジネス選書

EPILOGI メルマガ会員募集中 人気記事ランキング エピロギ編集部おすすめ記事 会員限定アンケート 会員限定イベント情報
ページの先頭へ